房総地区 「木遣り=神輿唄」をさらにいろいろ調べてみました

この房総地区には、色んな地域で「木遣り=神輿唄」があるようです。


「木遣り=神輿唄」とは・・・



担ぎ手と周囲の人々や見物人を和ませ、その場の雰囲気を一つにまとめ
全体の士気を高めるための序曲と神様を喜ばせる宗教的な意味があるようです。

やはり、
唄自体は都々逸の影響が大きく、色恋唄や教訓的な詩の数多くは、これより引用されているようです。都々逸は、江戸時代後期に寄席にて流行し、主に江戸の粋と艶を表しています。
また、地域や当該神社に因んだ紹介的内容の唄も多いようです。
いずれも、七・七・七・五字の四句を定型とし、独自な節回しを付け「木遣り=神輿唄」として
定着したようです。



鴨川地区の木遣りが紹介されていましたのでちょっとご紹介させていただきます。
天津の隣の鴨川。似ている木遣りが多いですね。

「水交団!!!」から抜粋させていただきました。

1、お前百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の はえるまで
2、鮎は瀬につく 鳥は木に止まる 人は情けの 淵に住む
3、梅も嫌いだ 桜もいやだ 桃と桃との あいが良い
4、男伊達なら 鴨川沖の 潮の早瀬を 止めてみろ
5、奥山でひとり米つく あの水車 誰を待つやら くるくると
6、鴨川港は 遠浅なれど なぜかよ女は 色深い
7、千両役者と 雷様は なりもよいけど 降りもよい
8、咲いた桜に なぜ駒つなぐ 駒が勇めば 花が散る
9、船のみよせに 鶯止めて 明日も大漁と 鳴かせたい
10、船は新造船 沖合恵比寿 中の若衆は 福の神
11、富士の白雪 朝日で溶ける 娘島田は 寝てとける
12、私は鴨川 荒浜育ち 波も荒いが 気も荒い
13、男度胸なら 五尺の身体 ドンと乗り出せ 波の上
14、大漁祈願に 弁天様ぇ 詣(まい)りゃ恵比寿の 笑い顔
15、海は荒れても 大漁の夢を 捨てぬ男の 心意気
16、船は出て行く 東へ西へ 今日も大漁の 日がのぼる
17、大波小波 荒波しぶき 船は向かうぞ 大漁場へ
18、鴨川そだちの 船方さんは 荒い波風 いとやせぬ
19、なんとおけどが おそろじゃないか 冲にカマスの 色がある
20、後ろみね岡 まえ鴨川よ 沖にゃ弁天 あしか島
21、来るか来るかと 待たせておいて なぜにそれたか 夏の雨
22、磯で波打つ 八岡の浜は 商売繁盛の 鳴りがある
23、魚とらせて 萬祝い着せて 若衆そろって 宮参り
24、出船入船 にぎわう港 沖にゃ弁天 あしか島
25、お船岩もつ 弁天様は 大漁授ける 守り神
26、沖の島から 便りが届く 今日も大漁だ 萬祝い旗よ
27、なんと皆様 おるすじゃないか 歌でごきりょうは さがりゃせぬ
28、沖でカモメが 鳴くその時は 浜は大漁で 春が来る
29、浜は大漁で おか又繁盛 出船入船 にぎやかさ
30、思い出したら また来ておくれ 波の花咲く 鴨川へ
31、一丈五尺の 櫓をおす腕に 濡れて花咲く 波しぶき
32、飲めや大黒 唄えや恵比寿 中の酌取りゃ 弁財天
33、千両万両 網引く手には ドンとしぶきの 花が散る
34、沖の黒潮 魚の群れは 海の男の かせぎ場所
35、おめでたいぞえ 弁天様は ご縁なければ 拝まれぬ
36、あれがおよねか 弁天様か ご縁なければ 拝まれぬ
37、月も仲間に 甚句がはずむ 踊り太鼓が 空渡る
38、黄金波打つ 豊かな実り お浜大漁の 当たり年
39、泣いてくれるな 出船の時は 沖で櫓櫂が 手につかぬ
40、泣いてくれるな 門出の朝に 泣けば駒さえ ままならぬ
41、とっちゃ投げとっちゃ投げ 枕を投げて 投げた枕に 罪はない
まだまだ木遣り・尋句はいっぱいあります。

また、房総の代表的な「木遣り=神輿唄」100選が掲載されたいので抜粋させていただきました。
※○○は地域に変更して詠っています。


一、 揃った揃ったよ  若い衆が揃った  稲の出穂より  良く揃った  

二、 押せや押せ押せ  押さなきゃ行かぬ  押せば八幡が  近くなる  

三、 祭り醍醐味  何かと聞かれ  男度胸と(担ぐ神輿と)  木遣り唄   

四、 これが○○の  神輿でござる  どうぞ皆様  御覧あれ(御贔屓に)  

五、 今日は目出度い  ○○の祭り  みんな揃って  神輿唄  

六、 酒は呑んでも  心は酔わぬ  今日の祭りが  すむまでは  

七、 大井天王様  力の神よ  天の岩戸も  押し開く  

八、 お国自慢は  数々あれど  ○○の神輿は  日本一  

九、 ○○若い衆が  ○○さんに揃った  商売繁盛で  末開く  

十、 一度見せたい  あの娘の前で  みこし担いだ  晴姿

十一、 山のあけびは  何見て開く  下の松茸  見て開く

十二、 葱の白さと  女のももは  臭いところに  味がある

十三、 黙ってさせときゃ  ヘソまで濡らす  可愛い坊やの  水遊び

十四、 後家と言うのは  後の家よ  前の空き家は  誰に貸す

十五、 裏の娘が  月見る頃にゃ  土手にススキの  生える頃

十六、 締めて鳴るのは  太鼓に鼓(つづみ)  鳴らぬ私を  締めたがる

十七、 石になりたや  風呂場の石に  おさね舐めたり  眺めたり

十八、 向こう横丁の  パン屋の娘  月に一度の  ジャムを出す

十九、 奈良の大仏  センズリすれば  奈良の街中  糊だらけ

二十、 せがれどこ行く  青筋立てて  生まれ故郷へ  種蒔きに

二一、 女木登り  下から見れば  大工墨つぼ  良く似てる

二二、 男木登り  下から見れば  クサレバナナに  毛がはえた 

二三、 めでたやめでたや  ○○の山に  鶴と亀とが  舞い遊ぶ

二四、 今日はうれしや  皆さんと一座  明日はどなたと  一座やら

二五、 今日は豊年だよ  穂に穂が咲いてよ  道の小草に  米がなる

二六、 道の小草に  米がなる時は  山のきかやに  花が咲く

二七、 米のなる木で  わらじを作り  踏めば小判の  跡がつく

二八、 差した盃  中見てあがれ  中に鶴亀  五葉の松

二九、 お前百まで  わしゃ九十九まで  共に白髪のはえるまで

三十、 めでためでたが  かさなる時は  天の岩戸も  押し開く 

三一、 三味線枕に  あなたと二人  バチの当るまで  寝てみたい

三二、 桜並木の  下草濡れる  誰に解かせた  洗い髪

三三、 立ては芍薬  座れば牡丹  歩く姿は  百合の花

三四、 梅も嫌いよ  桜も嫌よ  モモとモモとの 間(あい)が良い

三五、 富士の白雪  朝日に溶ける  娘十八  寝てとける

三六、 入れておくれよ  かゆくてならぬ  私一人が  蚊帳の外

三七、 わたし貴方の  火事場のまとい  ふられながらも  熱くなる

三八、 ぬるい酒でも  貴方の手から  注いでもらえば  熱くなる  

三九、 疲れ来たのか  ついついうつら  貴方ほかほか  ひざまくら

四十、 主の心と  ○○の杜は  他にキはない  マツばかり

四一、 逢いに来たかよ  美人の乙女  唄う木遣りに  誘われて

四二、 甚句唄うような  いなせな姉さんと  共に苦労を  してみたい

四三、  お月様さえ  夜遊びなさる  ましては若い者は  無理もない

四四、 南吹かせて  船出を止めて  可愛いあの娘と  寝てみたい

四五、 たたきゃ紫  吸いつきゃ紅よ  色で仕上げた  この身体

四六、 秋のあぜ道  二人で歩く  月もやさしく  雲隠れ

四七、 鳴くなにわとり  まだ夜は明けぬ  明けりゃお寺の  鐘が鳴る

四八、 房州○○  一度はおいで  海あり山あり 情けあり

 四九、 花はポピーか  矢車草か  房州○○  花盛り

五十、 咲いた桜に  なぜ駒つなぐ  駒が勇めば  花が散る

五一、 竹に短冊  七夕様よ  立てて流せば 天の川

五二、 箱根八里は  馬でも越すが  越すに越されぬ  大井川  

五三、 お月様さえ  十五がさかり  わしの盛は  いつじゃやら

五四、 恋にこがれて  なく蝉よりも  なかぬ蛍が  身を焦がす

五五、 口でけなして  心でほめて  人目忍んで  見る写真

五六、 遠く離れて  逢いたい時も  月が鏡に  なればよい

五七、 浜の乙女の  黒髪なびく  ほろり泣いたは  誰のため

五八、 沖の大船  いかりで止める  止めて止まらぬ  恋の道

五九、 星の数ほど  女子はあれど  月に見たるは  主ばかり

六十、 夢に見るよじゃ  惚れよが足りぬ  真に惚れたら  眠らりょか

六一、 主と私は  羽織の紐よ  固く結んで  胸の内

六二、 好きと嫌いが  一緒に来たら  ほうき立てたり  倒したり

六三、 石の臼ほど  互いにまるく  添うてはなれぬ  かたい仲

六四、 可愛がられて  寝た夜もござる  泣いて明かした  夜もござる

六五、 十日もあわねば  死ぬかもしれぬ  こんなにやせても  まだ三日

六六、 雨が降るときゃ  沖から曇る  貴方想えば  気も曇る

六七、 来るか来るかと  待たせておいて  他へそれるは  夏の雨

六八、 富士の山ほど  酒樽積んで  呑まして聞きたい  ことがある

六九、 泣いてくれるな  船出の時に  沖でろかいが  手につかぬ

七十、 枯れた松葉に  朝日が昇る  枯れて落ちても  二人連れ 

七一、 色で身を売る  西瓜でさえも  中に苦労の  種がある

七二、 親の意見と  なすびの花は  千に一つの  無駄も無い

七三、 親の意見と  冷たい酒は  すぐに効かずに  後で効く 

七四、 ひとの女房と  枯れ木の枝は  ちょいとのるのも  命懸け

七五、 ひとの女房と  枯れ木の枝は  のぼりつめたら  恐ろしや

七六、 今も昔も  変わらぬものは  人の情けと  親心

七七、 男心と  やかんのお湯は  沸くも早いが  すぐ冷める

七八、 二つ枕の  揃わぬ内に  辛抱しろとは  親が無理

七九、 渚銀座の  百色狸(ももいろたぬき) あたしも二度三度  だまされた

八十、 磨け磨けど  身が錆びならば  時々浮気の  錆びが出る

八一、 深山育ちの  荒木でさえも  末はお城の  床柱

八二、 金の柱に  黄金たる木  屋根は小判の  うろこぶき

八三、 酒は良いもの  気の晴れるもの  飲んだ心地は  富士の山

八四、 惚れた数から  振られた数を  引けば女房が  残るだけ

八五、 嫌と云うのに  無理やり入れて  入れてなかせる  籠の鳥

八六、 惚れて通えば  千里も一里  逢わずに帰れば  又千里

八七、 いとしいとしと  思っていたら  見えぬ赤糸  どこへやら

八八、 いつも圏外  怒ってメール  貴方いったい  何してる

八九、 万里の長城で  小便すれば  ゴビの砂漠に  虹が立つ

九十、 お月様でも  夜遊びすぎりゃ  頬はゲッソリ  身も細る

九一、 君と僕とは  卵の仲よ  僕が白身で  君を抱く

九二、 家の旦那に  位がござる  何の位か  酒くらい

九三、 唄え唄えと  唄せめられて  唄が出ないで  汗がでる

九四、 昔馴染みと  つまづく石は  あいたかったと  目に涙

九五、 七つ八つから  いろはを習い  はの字忘れて  色ばかり

九六、 白鷺みたいな  お方に惚れて  鳥みたいに  苦労する

九七、 色が黒くて  惚れ手が無けりゃ  山のカラスは  後家ばかり

九八、 させろ一番  いとこの縁で  させねばいとこの  縁を切る

九九、 信州信濃の  新そばよりも  私ゃあなたの  そばがよい

 百、  私の心は  わらぶき屋根よ  かわらないのを  見ておくれ



それ以外にも色々ありましたので、引用しておきます。


「大原はだか祭り 祭り唄」http://www.isuminavi.jp/hp/maturi/maturiuta.htm


上総十二社祭りhttp://12syamatsuri.sitemix.jp/history1031.html


「伊勢音頭」http://maturi.jp/iseondo/iseondo.htm
伊勢音頭とは、伊勢神宮参拝の帰りに古市 (伊勢市)の遊郭へ上がった客らによって全国に広まった民謡。伊勢参りは、信心目的ばかりでなく江戸期には古市の遊郭や観光そのものが旅の目的ともなっていた。 「荷物にならない伊勢土産」とも言われ、伝えられた各地で作り替えられ普及した唄や踊りがある。主に祝い歌として歌われている事が多く、祭りなどの伝統行事、通過儀礼の席で歌われる事が多い。




いかがでしたか?伝統・文化を私達が継承していきたいですね。


2013/08/08 11:01記事を編集しました。